商用電子書籍のアクセシビリティについて、いま何が起きていて、何が起きていないのか ― 技術者は武器を研ぎ終えた:停滞を破る主役は誰か ― |合同会社情報アクセシビリティ機構代表社員村田真
商用電子書籍のアクセシビリティについて、いま何が起きていて、何が起きていないのか ― 技術者は武器を研ぎ終えた:停滞を破る主役は誰か ― |合同会社情報アクセシビリティ機構代表社員村田真
商用電子書籍をめぐるアクセシビリティ実装の現状整理
欧米における法制度と市場圧力によるアクセシビリティ推進状況
日本における電子書籍アクセシビリティの停滞と実装未達成の構造
日本の法的枠組みにおける合理的配慮義務の存在
改正障害者差別解消法と読書バリアフリー法の位置付け
罰則不在による出版社側の実質的なリスク不顕在化
JIS X 23761制定の意義
EPUBにおけるアクセシビリティ要件とメタデータ定義の明確化
技術基準としての到達点と法制度との非接続
国内出版社の消極姿勢
コスト・収益性・罰則不在による合理的判断
技術基準と法的義務が存在しても採用されない構造的問題
障害者団体の役割と限界
技術や規格だけでは社会を動かせないという認識
当事者による権利主張の不足と推進力の欠如
技術者が提供できるのは物差しであり社会的強制力ではないという限界
今後の展望
公共電子図書館や法制度運用の変化による状況改善の可能性
技術者が「正しい形」を提示するフェーズは、一つの区切りを迎えた。この状況を踏まえ、私は今後、規格の維持管理という側面は継続しつつも、より実効的な変化を生み出すために、別の形でアクセシビリティに関わっていく必要があると考えている。